ヒゲの豆知識
1.
ヒゲの種類と形
一口にヒゲといっても生える場所によって、いろいろ性質が異なります。
2.
ヒゲの構造
ヒゲには神経はありません。ヒゲを剃って痛みを感じるのは、ヒゲ自体ではなく、毛根の周囲にある神経によるものです。
3.
ヒゲの成分は?
ケラチンと言うたんぱく質の一種が主成分です。
4.
ヒゲの密度は?
くちヒゲやあごヒゲ、ほほヒゲなど、生える場所によって本数は違いますが、平均すると1㎠に約120本。総数としては平均して2万本から3万本くらいといわれています。
5.
ヒゲは1日にどれくらい伸びる?
年齢や気候によって違ってきますが、平均して1日に0.2mmから0.4mmくらいです。
6.
ヒゲがいちばん伸びる時間帯と季節は?
一日のうちでいちばん伸びるのは朝方で、午前6時から10時ごろまで。反対に昼間はいちばん伸びが悪く、夕方からまた少し伸びてきます。深夜になると徐々に伸びが悪くなってきます。季節毎に見ると、ヒゲは秋にもっともよく伸びます。9月をピークにして下がり始め、2月が最低。春からまた伸びが大きくなります。この原因はまだよくわかっていません。
7.
ヒゲはどれくらいの強さを持っているのですか?
ヒゲは同じ太さの黄銅線と同じ位の強さと、硬さを持っていると言われています。
8.
民族によるヒゲの性質は?
いろいろと違いがあります。なめらかなのは北欧人。我々日本人のヒゲは比較的硬めです。縮れたヒゲ、波状のヒゲ、巻いたヒゲなど、世界にはいろいろな地域にいろいろなヒゲがあります。
9.
体調とヒゲの状態の関係は?
ヒゲの成長や状態はそのときの体調によって大きく左右されます。栄養不足や運動不足の時は伸びが速くなります。逆に健康で、日光のもとでスポーツをしていると、ひげの伸びが抑えられることが多いようです。また、健康な人ほどヒゲにツヤがあります。このように、ヒゲによってある程度、健康診断も出来るわけです。
10.
体毛は剃ったら濃くなる?
カミソリを使用することにより体毛が濃くなるという医学的根拠はないと言われています。一般に言われているように、体毛が濃くなるように思える原因は、まず第一に剃り始めた年齢による誤解。
体毛は生え始めた時はまだ産毛のように柔らかいですが、体が成長していくにつれてしっかりとした毛になっていくため、生え始めたときからカミソリを使用しているとだんだん濃くなっていくというように感じられます。それに、カミソリで剃った後の毛は剃る前の毛先と比べて、切断面が広く、黒い面積が目立つため剃る前より黒く感じられるのです。
しかし、マウスでの実験 (一週間、毎日電気カミソリで毛を剃り続けるというもの) により過剰な刺激を皮膚に与えると、体毛が一時的に5~10%太くなるという結果が出ました。※注(例えば、人間でも足や手などに大きなケガをした場合、そのまわりの毛が濃くなるのと同じです。) ただ、カミソリで剃る程度の刺激では、太くなるというのも一時的なもので、一定以上は太くなりませんし(通常より少し太くなる程度)、刺激を与えなくなると元にもどります。よって、過剰な力を与えたり、必要以上に回数を重ねて剃ると皮膚を痛めるだけでなく、毛も太く (濃く) なる可能性があるということです。
また、お手入れの方法として 「毛を抜く」 方法も一般によく使われていますが、「カミソリで剃る」 よりも 「抜く」 方が刺激が強いので、より注意が必要です。
カミソリを使用する場合は、なるべく優しくすべるように剃ることをお勧めします。
※注: 順天堂大学 医学部 皮膚科 坪井良治 助教授 の実験による。
11.
女性でもヒゲが生える?
ヒゲは何も男性に限ることではありません。女性にもヒゲが生える可能性はあります。ヒゲは男性ホルモンによって生えてきますが、女性の体内にもわずかですが男性ホルモンがあります。ですから、この男性ホルモンを多く持っている女性にはヒゲが生えても不思議ではないのです。
以上ひげの豆知識
<参考文献>
「ひげ」 株式会社 学生社発行 小野三嗣 著
「ひげの科学」 玉川選書 小野三嗣 著
How to シェービング
1.
ドライシェービングとウェットシェービング
一般にウェットシェービングとはカミソリを使用してヒゲを剃ることをいい、ドライシェービングとは、電気カミソリを使用することをいいます。カミソリと電気カミソリの根本的な違いは「剃る」と「刈る」にあります。つまり、カミソリでのシェービングは肌に刃先を当てて、ヒゲを根本から剃るのに対し、電気カミソリは、肌と刃(内刃)の間に金属板(外刃)が一枚入っているため、ヒゲを根本から少し上のところで刈り取るような形になります。
- ●ウェットシェービング
- ヒゲを根元から剃ることができる。
- ヒゲの切断面が電気カミソリに比べて平らなため、剃り後が美しい。
- 肌荒れがしにくい。
- 水やお湯を使うので清潔。
- ヒゲ剃り後が爽やか。
2.
ヒゲを剃るのに最適な時間はいつ?
肌の疲れが回復し、張りのある状態になっているので、血が噴きにくくヒゲ剃りには適しています。
浴室でヒゲを剃るという人は多いでしょう。ヒゲはお湯で柔らかくなりますし、気分的にもゆったりします。
しかし、前述したように、ヒゲは朝6時ごろから10時ごろまでがもっとも伸びます。
翌日の昼頃にはヒゲがうっすらと伸びてきます。あまり、おすすめできません。
一番避けたいのが、体調の悪いときやお酒を飲みすぎた翌朝です。
このような時は、肌の状態が最悪になっているため、血が噴きやすく、カミソリ負けもしやすくなります。
それでも、ヒゲ剃りは毎日のことですから、このような時は、ガード機能や肌にやさしいタイプの商品をお勧めします。
3.
水・お湯・石けん・プレシェービング剤。一番いいのはどれ?
カラ剃り(何も付けずに剃ること)は、刃のすべりも悪く一番肌に負担がかかります。また、ヒゲも硬いまま剃ることになるので刃にも皮膚にもよけいに負担が増し、いいことはありません。水とお湯をくらべると、水よりもお湯の方がヒゲが柔らかくなり、剃りやすくなります。また、人間の痛覚は33度くらいの温度の時が一番鈍くなります。昔から使用されてきた石けんは、刃のすべりも良くなるため、肌の負担も小さくなります。それに、刃の切味を悪くする要因の一つである、顔面に付着した老廃物や脂肪を落とすのにも役立ちます。また、ぬるま湯で泡立てた石けんなどを使うとお湯と同じぐらいヒゲも柔らかくなり、いいことづくめですが、人間の皮膚は本来、弱酸性に保たれており、アルカリ性である石けんを使用すると肌がアルカリ性に傾き、肌が刺激を受けやすく、いためやすくなります。
洗顔料等を使用するときは弱酸性のモノを使用するとよいでしょう。プレシェーブ剤は従来の石けんでまかなってきた役割を果たすものとして開発されてきました。石けんが果たしてきた役割、「刃の滑りやすさ」「ヒゲなどのすばやい湿潤・軟化効果」が手軽にでき、また、石けんにはない、「保湿効果」なども加えられたものです。石けんより1歩進んで、より肌のケアまで考えた仕様剤といえます。
- まず、肌に付着した老廃物や脂肪を落とすため、ぬるま湯などで顔を洗う。
- その後、シェービング剤を塗布、シェービング。
- 剃り終わった後は、プレシェーブ剤などの汚れを落とすためにしっかり洗顔。
- 最後に肌に優しい弱酸性のアフターシェーブローションやクリーム、化粧水などをつけ肌を整え、清潔に保って下さい。
4.
最適な剃る速度
ヒゲは黄銅線と同じ硬度をもつことは先ほど述べました。また、カミソリの刃の先端は数ミクロンの厚さしかありません。従って、カミソリをあまり早く動かすとその衝撃で刃先が曲がり、剃り味が落ちることになります。ヒゲはゆっくり、ゆったり剃ってください。
5.
カミソリの日常の手入れ方法
使用後は流水で洗い流し、水分をよく切って自然に乾燥させます。 刃先を拭くと、コーティング皮膜がとれ、切味が落ちてしまいます。